出すに出せない粗大ごみへの踏ん切り

先日、実家地元の旧友に久しぶりにあった所、かなり浮かない顔をしていました。少しずつ話を聞くと、両親が経営していた料亭が経営不振で潰れ、他人の手に渡ったと言うのです。新しい持ち主は料亭の古い建物自体に価値を認めず、近々取り壊す予定なのですが、できる限りの片づけをして欲しい、と言われたそうです。

友人は全く別の業界で仕事をしており、料亭にも未練はないと言うのですが、「たぬきが気になるんだよ…」と言うのです。料亭の入り口わきに、巨大な信楽焼のたぬきが置いてあるのですが、そのことを指して言ったのでした。

特にいわれのある置物ではなく、親戚の誰かの家からいつしか持ち込まれてそこにあった、くらいの雑な経歴で、年月を経てかなりみすぼらしく風化し、ところどころ欠けてぼろぼろになっているのです。

一応ネットオークションにも出品したが、あまりの傷み具合に全く買手もつかずじまい。微妙な愛着が邪魔をして、粗大ごみに出すのは哀れだし…と悩んでいたのでした。

私は共通の友人の、神主さんAさんのことを思いつきました。
「その場でご供養をしてもらって、それで壊してゴミに出すなりしたら?」と提案すると、友人は「そうかあ!」とうなづきました。数日後、簡単にAさんに人形供養の形をとってもらったあと、友人と両親は置物を砕いてゴミ袋へ入れました。3人とも踏ん切りがついた、とすっきりとした表情でした。

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