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優しい義祖父母のすさまじい「汚屋敷」経験談

国際結婚してフランス在住の30代後半主婦です。

結婚してすぐ、夫の祖父母宅に遊びに行った時のことです。二人とも70歳以上なのですが、当時は非常にしゃくしゃくと元気でした。ところがその住居に一歩足を踏み入れた途端、私は笑顔をひきつらせました。

ゴミ屋敷…日本のTVで見たものとはまた趣が全く違うのですが、かなりそれに近いような煩雑さでした。足の踏み場もないほどにモノがあふれているのですが、その足というのは土足です。フランスの田舎ですから、土くれなどが部屋の床に混じって散乱してもいるのです…。内心、悲鳴をあげて退散したかったのですが、私はホコリのたまったソファーに座りました。寒い日でしたので暖炉が燃え盛っていました。お婆ちゃんは「●ちゃん、お茶飲む~?」とにこやかに私に話しかけながら、その暖炉にパッと何かをくべました。ケーキのお皿を覆っていた食品ラップでした。

夫が「婆ちゃん、それは燃やすと毒物がでるから暖炉にくべちゃダメだよ」とごく自然に言うのも、私は内心絶叫しながら聞いていました。

暖炉の周囲にも様々なもの(可燃物)が積み重ねられ、ここで地震でも起きようものなら一発で火事が起こってアウトです。しかしそこは地震のないフランスですから、皆平気でお茶を飲んでいるのでした。文化的差異!文化的差異!と心の中で繰り返しながら、私は恐怖のお茶の時間を過ごしたものです。

今はその祖父母も亡く、「あの家は~」と家族で話す中にも懐かしさしかないのですが、それでも強烈な印象は深く私の心に刻まれています。

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